大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(さ)34 判決

主 文

原判決を破毀する。

被告人を懲役二年に処する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

検事総長福井盛太の非常上告申立の理由は末尾記載の通りであつて、これに対す

る当裁判所の判断は次の如くである。

記録によれば、京都簡易裁判所は昭和二五年二月一五日の判決において、被告人

Aに対して窃盗の事実を認定したが、被告人は昭和二二年六月三〇日大阪地方裁判

所において窃盗罪として科せられた懲役一年六月の刑の執行を当時既に終つたもの

として、刑法第二三五条等の外に、同第五六条及び第五七条を適用し、被告人を懲

役二年六月に処する旨の言渡をなし、右判決は同年三月二日確定するに至つたこと

が明らかである。しかし大阪地方裁判所の右の判決は、被告人を懲役一年六月に処

し、未決勾留日数中八〇日を本刑に算入した上、裁判確定の日から三年間刑の執行

を猶予する旨のものであつて、京都簡易裁判所が本件判決を言渡した当時は、その

刑の執行猶予期間中にあり、未だ刑の執行を終つていなかつたこと所論の通りであ

る。従つて原判決が被告人に対して刑法第五六条第五七条を適用し、再犯による刑

の加重をしたことは、法令の適用を誤つたものである。それ故本件非常上告はその

理由があるものと認める。

よつて刑訴第四五八条第一号本文により原判決を破棄すべきものであるところ、

原判決は被告人のために不利益であるから、同号但書に従い更らに判決をすること

とし、原判決の確定した事実に対し法令を適用すると被告人の各窃盗の所為は夫々

刑法第二三五条に該当するところ、右各罪は同法第四五条前段の併合罪であるから、

同法第四七条第一〇条により犯情の最も重い原判決判示第三の罪の刑に法定の加重

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をなした刑期範囲内において被告人を懲役二年に処することとし、訴訟費用の負担

につき刑訴法第一八一条により、主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 堀忠嗣関与

昭和二五年九月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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